変圧器を運転すると、損失により変圧器の温度が上昇する。規定の周囲温度の状態で、定格負荷を加えた際に、温度上昇値が規格値以内に収まっているかどうかを確認する試験が、変圧器の温度上昇試験である。
使用前自主検査の負荷試験(出力試験)の検査方法では、
当該変圧器の定格容量又は通常の運転状態における負荷に保持して変圧器の各部の温度が飽和状態になるまで連続運転し、変圧器の異常な温度上昇、異常振動、異音等の有無を計器及び所内巡視等の方法により確認する。
使用前自主検査及び使用前自己確認の方法の解釈
ただし、電技解釈第20条に基づき温度上昇試験を実施したことを確認できたものについては、現地での負荷試験は省略できるものとする。
と定められており、変圧器の工場で温度上昇試験を実施した場合、現地での負荷試験は省略できると認められているため、一般的には、工場でのみ温度上昇試験を実施し、現地試験は実施していない。
変圧器の温度上試験の方法として、実負荷法、返還負荷法、等価負荷法がある。
実負荷法
実際に変圧器に定格負荷をかけて、温度上昇を確認する方法である。ごく小規模な変圧器であれば問題なく実施できるが、規模が大きな変圧器、例えば10MVAの変圧器であれば、10MVAの負荷をかける必要があるので、試験実施が困難となるため、この方法は小型の変圧器にしか適用できない。
返還負荷法
この方法では、試験する変圧器1台を含む2台の変圧器を並列接続し、定格電圧で励磁し、2台の変圧器の電圧比を変えるか、別の電源を付加することにより定格電流が流れるようにする。
JEC-2200(1995)
等価負荷法(短絡法)
変圧器の温度上昇試験として、最も一般的な試験方法である。
全損失供給、定格電流供給の2段階で検証する。
全損失供給
2次巻線を短絡し、1次巻線に全損失を発生する電流を通電して、油の温度上昇が飽和した後に各部の油の温度を測定する。
定格電流供給
全損失供給に引き続き実施する。2次巻線を短絡したままで、1次巻線への電流は全損失を発生する電流から定格電圧に下げて、1時間通電した後に電源を遮断し、抵抗法により1次および2次巻線の温度上昇を測定する。

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